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2026.02.17 コラム

牡蠣による食中毒

最近牡蠣を食べて嘔吐や下痢を起こした患者さんが何人か受診されました。

●牡蠣にあたるという状態は、主に牡蠣に含まれるウイルスや細菌によって引き起こされる感染性胃腸炎のことを指し、激しい吐き気や嘔吐、下痢、発熱といった症状が現れます。ウイルスを保有している牡蠣を生や加熱不十分な状態で食べることで、人間の体内でウイルスが増殖し、食あたりや食中毒を引き起こします。ただし、牡蠣を食べたからといって必ずしも全員があたるわけではありません。摂取したウイルスの量や、食べた人のその時の体調、免疫力によって発症するかどうかが左右されます。

●食あたりの症状としては、突然の吐き気や腹痛、下痢などが特徴的です。原因として最も多いのはノロウイルスなどのウイルス感染ですが、夏場であれば腸炎ビブリオなどの細菌、あるいは貝毒やアレルギー反応の可能性も考えられます。

●吐き気や嘔吐は、体内の毒素を外に出そうとする防御反応として現れます。無理に嘔吐を止めようとせず、吐き気が落ち着くのを待ってから、少量の水分を摂取するようにしてください。嘔吐物に血が混じっている場合や、半日以上水分が全く取れず尿が出ないような場合は、重度の脱水の危険があるため、消化器内科や救急外来を受診する必要があります。

●水のような激しい下痢や、お腹を絞られるような痛みが続くことがあります。この場合もウイルスを排出しようとする体の反応ですので、安易に市販の下痢止め薬を自己判断で服用して腸の動きを止めてしまうのは避けましょう。お腹を温めて安静にし、経口補水液などで水分と電解質を補ってください。あまりに痛みが激しく動けない場合や、便に血が混じっている場合は、細菌性腸炎などの可能性もあるため、早急に内科や消化器内科を受診してください。

●牡蠣による食あたりの発症時間は原因物質によって異なりますが、アレルギーの場合は食後1時間から2時間以内といった極めて短い時間で症状が現れることがあります。一方、ノロウイルスや腸炎ビブリオなどの感染症の場合は、食べてすぐに症状が出ることは少なく、最低でも4時間程度の潜伏期間を経てから発症するのが一般的です。

●一般的に最も多いノロウイルスの場合、潜伏期間は24時間から48時間程度と言われており、食べてから1日から2日後に発症することが多いです。腸炎ビブリオの場合は比較的早く、食後4~48時間前後で発症することもあります。食べた直後は何ともなくても、翌日以降に急激に体調が悪化することがあるため注意が必要です。

●原因がノロウイルスなどの感染症である場合、患者の嘔吐物や便には大量のウイルスが含まれており、周囲の人に感染するリスクが非常に高いです。看病をする際やトイレの共用によって二次感染が起こるため、手洗いの徹底や塩素系漂白剤による消毒などの対策が不可欠です。一方、貝毒やアレルギーによる症状であれば、他人にうつることはありません。

●水分を全く受け付けず尿が出ないような重度の脱水症状や、便に血が混じる血便、呼吸が苦しいといった症状が見られる場合は、重症化している可能性があります。これらは点滴治療や専門的な処置が必要なサインですので、夜間であっても救急外来や消化器内科を受診してください。特に高齢者や乳幼児は急激に状態が悪化しやすいため、早めの受診が肝心です。

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