荻原医院 > コラム > ピロリ菌ってどんな菌?

コラムCOLUMN

2026.02.19 コラム

ピロリ菌ってどんな菌?

●ピロリ菌は、正式にはヘリコバクター・ピロリという細菌で胃の中に生息しています。ピロリ菌は自身でアルカリ性のアンモニアを作ることにより、強い酸性の胃でも生きられます。多くの研究により、ピロリ菌が慢性胃炎、胃・十二指腸、胃がんなどの原因になっていることがわかっています。1983年にピロリ菌の培養に成功したウォーレンとマーシャルはのちにノーベル賞を授与されました。

 

●ピロリ菌は口から感染しますが、特に感染しやすいのは乳幼児期と考えられています。ピロリ菌はヒト→ヒトで経口感染しますが、環境因子や家庭内感染など他にいくつかの感染経路も考えられます。親世代の感染率が低くなり、現在は衛生環境も良くなっているため子どもの感染率は非常に低くなっています。成人になってからの感染はまれです。

 

●日本でピロリ菌に感染している人は少なくとも3,000万人以上といわれています。特に50歳以上の人で感染している割合が高いとされています。しかし衛生環境が整ったことによってピロリ菌に感染している割合は年々減少しており、特に若い世代では低くなっています。今後はピロリ菌に感染している人はますます減っていくと予想されています。

 

●ピロリ菌の除菌治療によって下記の病気を予防し治癒することがわかっています。

(a)ピロリ菌による病気の予防
・胃がん⇒発生、再発が半数~3分の1に減少
・胃潰瘍・十二指腸潰瘍⇒再発をほぼ抑制

(b)ピロリ菌による病気の治癒
・胃マルトリンパ腫⇒60%~80%で治癒
・胃過形成性ポリープ⇒約70%で縮小、消失
・特発性血小板減少性紫斑病⇒約半数で血小板が上昇
・機能性ディスペプシア⇒一部で上腹部症状が改善

(c)感染経路の抑制
・次世代へのピロリ菌感染を予防

 

●胃潰瘍や十二指腸潰瘍の主な原因はピロリ菌感染と薬剤(解熱剤・鎮痛剤、アスピリンなど)が原因です。ピロリ菌がいると潰瘍が治っても1年後には多くの患者さんが再発していますが、ピロリ菌を除菌するとピロリ菌が原因の潰瘍の再発はほとんどなくなります。但し、薬剤による潰瘍は除菌しても発生することがあり治療が必要です。

 

●除菌が成功した後でも胃がんが発見されることがあります。ピロリ菌の除菌により胃がんが発生するリスクは3分の1程度に低くなりますが、ゼロにはなりません。現在胃がんで亡くなる方は減少傾向にありますが、除菌に成功した後でも胃がんを早期発見するため定期的に内視鏡検査を受けましょう。

インターネット予約受付はこちらから
初診・再診・発熱外来の診察予約が24時間いつでも可能です