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2026.02.19 コラム

ピロリ菌の検査・治療が保険診療でできるのはどのような場合?

 

●2013年2月から内視鏡検査で「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」と診断された方は、医療保険を使ってピロリ菌の検査・治療を受けることができるようになりました。通常この胃炎のみでは自覚症状はありませんが、ピロリ菌に感染していると胃がんになりやすいことがわかっており、除菌により胃炎の進行を予防し胃がんの発生を抑制することができます。

 

●ピロリ菌の検査はどのようにするのですか?

(1) 血液または尿中抗体検査
体の中にピロリ菌に対する抗体があるかどうかを調べる検査法です。簡便なので広く用いられますが、除菌が成功した後でも陽性が続くこともあり注意が必要です。

(2) 尿素呼気試験
診断薬を服用する前後の呼気を集めてピロリ菌の有無を調べます。最も精度の高い検査法で、除菌前の感染診断と除菌療法後の除菌判定に推奨されています。

(3) 便中抗原検査
糞便中のピロリ菌を調べる精度の高い検査法で、現在ピロリ菌に感染しているかどうかわかるので、ピロリ菌の感染診断と除菌判定に有用です。

(4) 内視鏡検査で胃の粘膜を採取して診断する方法
(a)組織検体中のピロリ菌を顕微鏡で観察する鏡検法、(b)粘膜を特殊な液と反応させて色の変化で判定する迅速ウレアーゼ法、(c)粘膜に付着したピロリ菌を培養し確認する培養法があります。

注意点
どの検査も100%正しいとは限りません。検査の選択や結果の解釈については当院医師にお尋ねください。

 

●除菌治療はどのように行うのですか?

通常は3種類の薬を朝夕2回、7日間服用します。これを一次除菌といいます。
一次除菌は、胃酸の分泌をおさえる胃薬(プロトンポンプ阻害薬、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)と2種類の抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシン)を用います。除菌薬内服終了後、4~6週間以上あけて除菌の判定を行います。具体的には、尿素呼気試験や便中抗原検査を用いてもう一度ピロリ菌を調べます。約70%~90%の方は除菌に成功します。除菌治療を行っても除菌判定を受けない方がいらっしゃいますが、除菌の判定は非常に大切ですので、必ず受けてください。

注意点
薬の飲み間違い、飲み忘れ、自己判断などで薬を減らすと除菌に失敗する率が増え、しかも抗生物質が効かない耐性菌を作ってしまう可能性があります。
薬のアレルギー、とくにペニシリンアレルギーといわれたことのある方は、薬を飲み始める前に必ず医師に相談してください。他に服用中の薬がある場合も除菌の薬が影響することがありますので、必ず医師にお知らせください。

 

●一次除菌に失敗した場合、もう一度除菌治療を行うことを二次除菌といいます。二次除菌は一次除菌と同じように、3種類の薬を朝夕2回、7日間服用します。失敗の原因は耐性菌であることが多いので、一次除菌で使用した抗生物質を別の抗生物質に変更します。二次除菌では、約80~90%の方は除菌に成功します。二次除菌に失敗した場合など、保険診療で検査や除菌治療ができない場合は、自費診療や臨床研究に参加することにより検査や治療は可能ですので当院ではピロリ菌の専門家に紹介いたします。

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